文字列リソース
リソースとして文字を埋めこむ
実は、リソースにはアイコンやカーソルといった特殊なもの以外に
私たちが普段よく使っている文字列などのデータもリソースとして
実行ファイルに埋め込むことができます
通常のアプリケーションでは、そのようなことをする必要はないでしょう
しかし、例えばノベルスゲームやRPGなどのゲームでは大量の文字列を扱います
この場合、ソースの文字列をいじるよりもリソースとして実行ファイルに埋めたほうが
保守性が比較的高く、改良や他国語版の開発が安全かつ容易でしょう
文字列リソースを埋めこむには、リソーススクリプトで STRINGTABLE を使います
STRINGTABLE [[optional-statements]] { stringID string . . . }
optional-statements は、CHARACTERISTICS、LANGUAGE、VERSION、を指定できます
これらはユーザー定義の情報などで、一般的に使うことがないので省略します
//リソース定義ファイルを読み書きするツールで使われる
stringID には、文字列に対する識別子です
この識別子は、アイコンの時とは違って数値である必要があります
string は、クォーテーションで囲まれた文字列リソースを指定します
STRINGTABLE の範囲は { から } までですが VC++ の MFC になれている人は
{ を BEGIN に、} を END にしてもかまいません
リソースコンパイルされた文字列は、Unicode として保存されます
文字列の改行コードは \n ではなく \012 を使います
実行ファイルに埋めこまれた文字列リソースは LoadString() ロードします
int LoadString(
HINSTANCE hInstance , UINT uID ,
LPTSTR lpBuffer , int nBufferMax
);
hInstance には、リソースが入っているモジュールのインスタンスを
uID はリソースの識別子を、lpBuffer には文字列を格納するバッファを
nBufferMax には、バッファのサイズを指定します
関数が成功すると、格納されたバイト数(ANSI)、または文字数(Unicode)が返り
文字列リソースが存在しない場合は 0 が返ります
バッファのサイズが足りない場合、文字列は切り捨てられます
//resource.h
#define IDS_KITTY 1
//リソーススクリプト
#include "resource.h"
STRINGTABLE {
IDS_KITTY "Kitty on your lap\012Magical nyan nyan TARUTO"
}
#include <windows.h>
#include "resource.h"
LRESULT CALLBACK WndProc(HWND hwnd , UINT msg , WPARAM wp , LPARAM lp) {
static HWND label;
TCHAR strKitty[1024];
switch (msg) {
case WM_DESTROY:
PostQuitMessage(0);
return 0;
case WM_CREATE:
label = CreateWindow(TEXT("STATIC") , NULL ,
WS_CHILD | WS_VISIBLE ,
0 , 0 , 200 , 50 , hwnd , (HMENU)1 ,
((LPCREATESTRUCT)(lp))->hInstance ,
NULL
);
LoadString(((LPCREATESTRUCT)(lp))->hInstance ,
IDS_KITTY , strKitty ,1024
);
SetWindowText(label , strKitty);
return 0;
}
return DefWindowProc(hwnd , msg , wp , lp);
}
int WINAPI WinMain(HINSTANCE hInstance , HINSTANCE hPrevInstance ,
PSTR lpCmdLine , int nCmdShow ) {
HWND hwnd;
MSG msg;
WNDCLASS winc;
winc.style = CS_HREDRAW | CS_VREDRAW;
winc.lpfnWndProc = WndProc;
winc.cbClsExtra = winc.cbWndExtra = 0;
winc.hInstance = hInstance;
winc.hIcon = LoadIcon(NULL , IDI_APPLICATION);
winc.hCursor = LoadCursor(NULL , IDC_ARROW);
winc.hbrBackground = (HBRUSH)GetStockObject(WHITE_BRUSH);
winc.lpszMenuName = NULL;
winc.lpszClassName = TEXT("KITTY");
if (!RegisterClass(&winc)) return -1;
hwnd = CreateWindow(
TEXT("KITTY") , TEXT("Kitty on your lap") ,
WS_OVERLAPPEDWINDOW | WS_VISIBLE ,
CW_USEDEFAULT , CW_USEDEFAULT ,
CW_USEDEFAULT , CW_USEDEFAULT ,
NULL , NULL , hInstance , NULL
);
if (hwnd == NULL) return -1;
while(GetMessage(&msg , NULL , 0 , 0)) {
TranslateMessage(&msg);
DispatchMessage(&msg);
}
return msg.wParam;
}
ちゃんと、リソースの文字列を読みこんで表示されていますね
LoadString()
int LoadString(
HINSTANCE hInstance , UINT uID ,
LPTSTR lpBuffer , int nBufferMax
);
文字列リソースをバッファに読みこみます
hInscance - リソースが入っているモジュールのインスタンスハンドルを指定します
uID - リソースの識別子を指定します
lpBuffer - 文字列を格納するバッファへのポインタを指定します
nBufferMax - バッファのサイズを指定します
戻り値 - 格納したバイト数、または文字列。リソースがない場合は 0