彼の会社 Microsoft は、コンピュータをやっている方なら知らない人はいないでしょう
おそらくこの文書を読んでいる方も、Windows や Internet Explorer を使っている方がほとんどで
それらのソフトウェアは Microsoft の製品である
技術者の多くも Microsoft の製品を使うし(筆者は例外…主にボーランド製品を使う)
ビジネスマンも、ビジネス関連のソフトウェアの多くは Microsoft 製品を使っているだろう
このように、ソフトウェア業界のほとんどが Microsoft からの圧力があり
ほとんどの業界が、何らかの形で Microsoft の影響を受けている
まさに、ライバル企業にとって Microsoft とは難攻不落の要塞である
このようなことからか、Microsoft 帝国という言葉もよく耳にする
そして、その帝国を頂点に立っている人物こそ、彼、ビル・ゲイツなのである
(因みに、ハードウェア業界では Intel が帝国と呼ばれる存在であるだろう)
Microsoft は昔から代々引き継がれた企業ではない
ビル・ゲイツがゼロから作り上げ、わずか一代で世界の Microsoft に成長させたのだ
この BASIC を MITS に売り込むと同時に、彼らは会社を設立した
世界最初の、マイクロコンピュータソフトウェア会社の誕生である 彼らは、この会社に Microsoft (マイクロソフト) という名前をつけることにした
大学の教育用コンピュータを商業目的に利用したことなどは、後に問題となった
ライセンスなどにうるさい Microsoft だが、その誕生はエミュレータと不正から始まったのだ
しかし、自分の環境を最大限に利用してビジネスに転化する彼らの才は評価したい
後に、世界は汎用機からマイコンブームとなり、パーソナルコンピュータが誕生する
Microsoft はゲイツの思惑どおり、見事にこのブームに乗り上げる
同時に、汎用機に縛られた IBM などは PC 業界に圧迫されることとなった
失業者に「なぜ、ビジネスを自分で作らないのか?」と聞けば
多くの人は「私にはそんな資金はない」というだろう
しかし、ビル・ゲイツは多額の資本で会社を設立したのではない
発想と最先端のビジョン、そして行動力を持って世界の Microsoft を作り上げたのだ
最初は BASIC 屋からはじめた Microsoft は、後に OS の開発に着手する
IBM のコンピュータがフロッピーディスクから起動できる MS-DOS を採用した
こうして、80年代は IBM の強い影響で、Microsoft は成長を続ける
(90年代には IBM との決裂が決定し IBM は Microsoft に宣戦布告することになる)
そして90年代、Windows の開発で、Microsoft は揺るぎない地位を確立した
Microsoft のライバルといえば、司法と独占禁止法のみとなったのだ