XSLT とは


二つの XSL

XSL(eXtensible Style Language ) は、XML アプリケーションの一つです
本来、XML だけではそれをどのように表示するかなどの情報を含まないため
XML 文書を整形して画面に表示するには、何らかの手段で情報を伝える必要があります

一つの方法としては、XML パーサから文書の構造を受け XML 文書を表示する
何らかの XML アプリケーション専用に作られたプログラム自体が
XML の要素に関連付けられた描画スタイル情報を含んでいるという方法です
XHTML や HTML を表示するブラウザなどもこの部類に属します

もう一つは、XML 文書に CSS を関連付けさせ
CSS のスタイル情報をもとに、ブラウザに XML の要素の描画スタイルを使える方法があります
しかし、CSS は CSS2 で XML の対応も考えられたとはいえ
元々は HTML の描画スタイルを拡張するためのものであり、XML に適しているとは言えません

XML の思想において、XML の情報をプログラムに伝えるには
やはり XML が最も適していると考えることができます
XSL は、XML 文書を表示するプログラムに XML の処理方法を伝えるものなのです

XSL には、大きく2つの言語を含みます
一つは、XML を他の言語に変換する XSLT(XSL Transformation)
もう一つは、XML の描画スタイルを伝える XSL-FO(XSL Formation Object) です

XSLT は、XML 文書の要素の構造をもとに、他の文書に変換する一種のスクリプトであり
XSL-FO は、XML 文書のフォーマットを記述するフォーマット言語です
この場では、XSLT について、詳しく解説していきます


なぜ XSLT か

XSLT を用いることによって、一体何ができるようになるのでしょう?
実は、その可能性は無限大といってもよいくらい、強力な機能を持っています

XSLT は、1つのファイルとして XML 文書の処理方法を記述します
そして、XML 文書の構造をもとに、他の文書に変換してしまうのです
変換する方法は、いくつかの手段が考えられるでしょう

1つは、ブラウザが XML と XSLT 文書を読み込み
クライアントコンピュータで XML 文書を変換し、変換後の文書をブラウザが表示します
これを用いれば、XML 文書を HTML 文書に変換して表示することが可能です

また、サーバーコンピュータがクライアントから XML 文書の要求があった時に
XSLT を読み込んで XML 文書を変換し、変換後のデータをクライアントに送信する方法です
この方法であれば、クライアントが XSLT を処理できるブラウザを持っていなくても
より安全に、XML 文書を Web に採用することができるでしょう

他にも、単純に XML 文書を XSLT に基いて変換するプログラムを用いて
あらかじめ XML 文書を静的に変換しておくという方法もあるでしょう
この方法を採用する場合、変換専用のプログラムを手に入れる必要があります
オンライン以外で、XML 文書の恩恵を受ける場合、この方法を用いることになります

XSLT の利用方法は、一般的には XML から HTML に変換するか
XML 文書を他の XML アプリケーション専用の文書に変換するというものになるでしょう



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