SVG文書片


SVG要素

SVG を記述して表示するには、まず SVG を記述しなければなりません。 この作業はテキストエディタで行いファイルに保存するという形になります。 SVG 仕様では、すべてのプラットフォームで拡張子は小文字で .svg と定められています。 Macintosh HFS ファイルシステムでは SVG ファイルのファイルタイプを "svg "(全て小文字、4 文字目はスペース文字)とし、 gzip で圧縮されたSVGファイルのファイルタイプは "svgz" (全て小文字)とすることが推奨される。

SVG で定められている要素を XML 文書で指定するには、SVG が定められている名前空間に属していなければなりません。 SVG の名前空間 (namespace) は http://www.w3.org/2000/svg と定められています。 また、SVG 1.1 の公開識別子(public identifier) は PUBLIC "-//W3C//DTD SVG 1.1//EN" 、SVG 1.1 勧告のシステム識別子(system identifier) は http://www.w3.org/Graphics/SVG/1.1/DTD/svg11.dtd と定められてます。 これらは、文書型宣言で必要になるでしょう。

SVG 文書は複数の SVG 文書片から構成されます。 SVG で定義される最終的名グラフィックスは、この SVG 文書片を組み合わせたものだと考えられます。 SVG 文書片を定義するのは svg 要素です。

svg 要素は SVG 文書片を定義し、その内部に子要素として様々なグラフィックス要素を指定することができます。 HTML で例えるならば、この svg 要素が html 要素に該当するルート要素となるでしょう。 ただし、svg はあくまで SVG 文書片を定義するもので SVG 全体を定義するものではありません。 svg 要素は子要素に svg 要素を指定することができるため、グラフィックスオブジェクトを入れ子関係にすることが可能となっています。

トップレベルの svg 要素には、まず名前空間を xmlns 属性で指定しなければなりません。 また文書が準拠するSVG言語のバージョンを version 属性で指定することができます。 文書が SVG1.0 に準拠するのであれば 1.0、SVG1.1 に準拠するのであれば 1.1 を指定します。 この他に、SVG言語プロファイルを指定する baseProfile 属性というものもありますが、この属性は省略することができます(省略された場合は none が指定されたものとされる)。

グラフィックに影響する svg 要素の属性には xywidthheight 属性があります。 x 属性と y 属性で svg 要素を描画する座標を指定することができます。 ただし、トップレベルの svg 要素には意味がありません。 一般的には、トップレベルの svg 要素はコンテナソフトウェア(SVG 文書を描画するアプリケーション)のクライアント領域に描画されることになるでしょう。 座標は省略することもでき、座標が省略された場合は 0 が指定されたものと判断されます。

width 属性と height 属性は svg 要素の幅と高さを指定します。 これらの属性が指定されていない場合、100% が指定されたものと見なされます。

独立して機能する最小の SVG 文書は次のようになるでしょう。

<?xml version="1.0" standalone="no"?>
<!DOCTYPE svg PUBLIC "-//W3C//DTD SVG 1.1//EN" 
	"http://www.w3.org/Graphics/SVG/1.1/DTD/svg11.dtd">

<svg width="400" height="300" version="1.1"
	xmlns="http://www.w3.org/2000/svg">
</svg>

サンプルを見る

このサンプルは、内容が空の(何も描画しない)SVG 文書片を定義しています。 SVG ビューワや SVG に対応したブラウザで閲覧した場合、幅 400 ピクセル、高さ 300 ピクセルで何も描画していない図が表示されるでしょう。



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