リージョンの結合


二つのリージョンを結合する

さて、もしあなたがこれまでリージョンの魅力がわからなかったとすれば
それは、ここで学習するリージョンの結合を知らなかったからでしょう

リージョンはただ、矩形や楕円を表す単一の領域ではありません
矩形や楕円、多角形を合わせた複雑な図形を表現することもできます
それには、いくつかのリージョンを CombineRgn() で結合します
int CombineRgn(
	HRGN hrgnDest ,
	HRGN hrgnSrc1 , HRGN hrgnSrc2 ,
	int fnCombineMode
);
hrgnDest は、生成されたリージョンとなるリージョンのハンドルを指定します
ただし、このリージョンは有効なリージョンでなければいけません
つまり、すでに Create...Rgn() によって生成され DeleteObject() されていない状態です

hrgnScr1 は結合する1方のリージョン、hrgnScr2 はもう一方のリージョンのハンドルです
fnCombineMode は結合方法を表す定数を指定します
詳しくは、ページ下部のリファレンスを参照してください

戻り値は、リージョンの生成結果を表す定数です
これを調べることで、どのようなリージョンになったかを知ることができます
定数は、同じくページ下部のリファレンスを参照してください

引数で指定するリージョンは、同じリージョンが複数あってもかまいません
つまり、hrgnDest と hrgnSrc1 が同じでも問題はありません
#include <windows.h>

LRESULT CALLBACK WndProc(HWND hwnd , UINT msg , WPARAM wp , LPARAM lp) {
	HDC hdc;
	PAINTSTRUCT ps;
	HRGN hrgn[2];

	switch (msg) {
	case WM_DESTROY:
		PostQuitMessage(0);
		return 0;
	case WM_PAINT:
		hdc = BeginPaint(hwnd , &ps);

		hrgn[0] = CreateRectRgn(10 , 10 , 200 , 100);
		hrgn[1] = CreateEllipticRgn(100 , 10 , 300 , 200);
		CombineRgn(hrgn[0] , hrgn[0] , hrgn[1] , RGN_XOR);
		FillRgn(hdc , hrgn[0] , GetStockObject(BLACK_BRUSH));

		DeleteObject(hrgn[0]) ; DeleteObject(hrgn[1]);
		EndPaint(hwnd , &ps);
		return 0;
	}
	return DefWindowProc(hwnd , msg , wp , lp);
}

int WINAPI WinMain(HINSTANCE hInstance , HINSTANCE hPrevInstance ,
			PSTR lpCmdLine , int nCmdShow ) {
	HWND hwnd;
	MSG msg;
	WNDCLASS winc;

	winc.style		= CS_HREDRAW | CS_VREDRAW;
	winc.lpfnWndProc	= WndProc;
	winc.cbClsExtra	= winc.cbWndExtra	= 0;
	winc.hInstance		= hInstance;
	winc.hIcon		= LoadIcon(NULL , IDI_APPLICATION);
	winc.hCursor		= LoadCursor(NULL , IDC_ARROW);
	winc.hbrBackground	= (HBRUSH)GetStockObject(WHITE_BRUSH);
	winc.lpszMenuName	= NULL;
	winc.lpszClassName	= TEXT("KITTY");

	if (!RegisterClass(&winc)) return -1;

	hwnd = CreateWindow(
			TEXT("KITTY") , TEXT("Kitty on your lap") ,
			WS_OVERLAPPEDWINDOW | WS_VISIBLE ,
			CW_USEDEFAULT , CW_USEDEFAULT ,
			CW_USEDEFAULT , CW_USEDEFAULT ,
			NULL , NULL , hInstance , NULL
	);

	if (hwnd == NULL) return -1;

	while(GetMessage(&msg , NULL , 0 , 0)) DispatchMessage(&msg);
	return msg.wParam;
}


どうですか!
このような複雑な図形の描画を一度の処理で可能にしてしまいます

結合方法で指定している RGN_XOR
二つのリージョンを合わせた領域から、重なる部分を除いた領域のリージョンを生成します


CombineRgn()

int CombineRgn(
	HRGN hrgnDest ,
	HRGN hrgnSrc1 , HRGN hrgnSrc2 ,
	int fnCombineMode
);
二つのリージョンを組み合わせた新しいリージョンを生成する

hrgnDest - 結合した結果となる有効なリージョンを指定します
hrgnSrc1 - 結合する一方のリージョンを指定します
hrgnSrc2 - 結合するもう一方のリージョンを指定します
fnCombineMode - 結合方法を表す定数を指定します

戻り値 - 結合結果を表す定数

結合方法を表す定数は、次の定数を指定します

定数解説
RGN_AND 2つのリージョンの重なり合う領域を、新しいリージョンとします
RGN_COPY hrgnSrc1 のコピーを作成します
hrgnScr2は無視する
RGN_DIFF hrgnSrc1 から、hrgnSrc2 を除いた領域を、新しいリージョンとします
RGN_OR 両方のリージョンを組み合わせた領域を、新しいリージョンとします
RGN_XOR 両方のリージョンを組み合わせた領域から
両方のリージョンが重なり合う領域を除いた領域を、新しいリージョンとします

戻り値は、次の定数のいずれかになります

定数解説
NULLREGION リージョンは空です
SIMPLEREGION リージョンは単一の長方形です
COMPLEXREGION リージョンは単一の長方形よりも複雑な形です
ERROR リージョンは作成されませんでした



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